発がん性のある原材料はヤバい!?

キャットフードにはさまざまな原材料が使われています。

ちょっと気になるのは「添加物」でしょう。

添加物は「体にあまり良くない」「健康を害するおそれがある」などとネガティブな印象を持っている人は多いのではないでしょうか?

結論から言うと、キャットフードに使用されている添加物は、ほぼ気にしなくてOKです。

日本には「ペットフード安全法」という法律があり、猫や犬の健康を害する、もしくは害するおそれのあるペットフードの製造が禁止されています。

「発がん性が確認された添加物を使ったフードもあるぞ!」

と憤った(?)方もいるかもしれません。

確かに一部のキャットフードには、発がん性が確認された添加物が使用されています。

たとえば「BHA」。これは酸化防止剤で、文字通りフードの酸化(フードに含まれる油脂が空気と結びついて品質が劣化すること)を防ぐのが目的です。

BHAはラットを用いた毒性試験の結果、発がん性が確認されています(マウスや犬を用いた毒性試験では発がん性が確認されませんでした)。

ただし、この毒性試験は「どれくらいの量を使用したら毒性が出るか」を調べる極端な試験です。

「与えたらどんな影響があるのか調べる」ではなく「毒性が出る量を調べてやる!」が前提なのです。

毒性試験では毒性が確認されない量(NOAEL)も調べます。

そして1日摂取許容量(ADI)は、毒性が確認されない量の100分の1以下(添加物を使用するペットフードの対象と同じ動物で試験をしているなら10分の1以下も可能)に設定されます。

つまり市販のキャットフードに使われる量は、どんなに多くても毒性が出なかった量の100分の1以下(もしくは10分の1以下)です。

こうした安全対策をすることで、科学的には「生涯、毎日摂取しても問題ない」とされています。

「それでも発がん性が確認されているものを使うなんて不安!」と思う人もいるかもしれません。

では、そう思った人に質問です。

・アルコールは発がん性が確認されていますが、一滴も飲みませんか?

・牛肉や豚肉など赤身の肉を過剰摂取するとがんの発症率が高くなりますが、口にしませんか?

・塩を過剰摂取すると胃がんの発症率が高くなりますが、料理に使うことはありませんか?

「 過剰に摂取していないから大丈夫だ!」

なんて思ったそこのあなた、添加物も同様です。

過剰に摂取しなければ、科学的には安全なのです。

ある物質が体にとって有害か無害かは、その物質そのものではなく量によって決まる。

毒性学の基本中の基本です。

毒性が確認された一部の添加物を批判したり必要以上に怖がったり避けたりして、毒性が確認されたアルコールや赤身の肉は摂取する。

これは矛盾していないでしょうか?

「科学的に安全」とされたものは、絶対に安全なわけではありません。

ただし、ゼロリスクの食べものは存在しません。

水もビタミンも過剰摂取すると健康を損ないます。

このように添加物を擁護すると「うさんくさい」「メーカーの回し者」と思う人は少なからずいるようです。

これは行政やメーカーが数え切れないほど不祥事を起こしてきたことが背景にあると思います。

一方、「◯◯という添加物は危険!」という情報は、人々の関心を集めやすいですし、消費者の味方という印象を持ちやすいものです。

そうした心理を利用するメディアやメーカーが多いことも知っておいてほしいと思います。

しかも不安を煽る記事は「発がん性が確認された」などとだけ記載し、NOAELやADIについてはふれません。

そりゃそうですよね、「実際に使用される量は毒性が確認されなかった量の100分の1以下」なんて記載したら、読者の多くは「そんなに危険じゃないじゃん……」なんて思うはずです。

添加物を必要以上に怖がったり避けたりすると、多くの場合、前述したような矛盾に陥ります。

キャットフードは添加物を重視するのではなく、メーカーの信頼性や栄養素のバランス、猫の食いつきなどを重視して選ぶようにしましょう。

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この記事を書いた人

ペット栄養管理士、ペット用品取扱士、愛玩動物飼養管理士、ペット共生住宅管理士、ペットフード販売士、ペット災害危機管理士、ペットセーバー

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